排熱利用を推進するメリット

今現在、多くの企業の間で導入が進められているものがあります。それは電力不足が発生した時に備える自家発電機と、発電機から出る熱を建物の空調などに利用するためのボイラーです。ボイラーは排熱利用することで蒸気を発生させる装置であり、夏の必要電力などは十分に賄える能力を持ちます。電気を作り、そのときに発生する不要な熱さえも利用できるシステムとして、コージェネレーションと呼ばれていますが、これは非常に画期的なシステムとして注目を集めています。

もともとは工場などで使用する電気と熱は、それぞれが別々の燃料から生み出されていましたが、発電に使う燃料が持つエネルギーのうち、実際に電気として取り出せるエネルギーはせいぜい4割程度となっており、残りの6割は不要な熱となっていました。その際、排熱利用を行うことに着目したのがコージェネレーションシステムです。これにより元々熱を作るために使用していた燃料自体も大幅に削減することが可能となったのです。排熱利用はまさにこれからの産業としてエネルギー戦略の根幹となると考えられています。

エネルギー消費を削減できるということはCO2の削減であったり、環境への負荷も大幅に減らすことにもつながります。電力の場合は系統にさえつながればどこでも使用が可能ですが、熱に関しては作った場所で使用する必要があるため、現場対応は必要にはなるものの、太陽熱や地中熱などの様々な再生可能エネルギーとの組み合わせも可能です。