熱の運動説と物質説とは

熱、という言葉は私達の生活において度々現れ、馴染み深いものとなっていますが、熱とはなにか、と言う疑問に対して、すぐさま的確に答えるのは難しいです。昔の人々も、熱とはなにかについて思考を巡らせていました。その中で、熱の運動説と物質説が現れました。
熱の運動説は、物質を成り立たせている細かい粒子の振動が、熱の正体だ、という説です。かの有名なデカルトは、手を擦ると少しずつ暖かくなる理由は、手を成り立たせている粒子が手を擦るときに運動するからだ、という説を唱えました。ですが、熱の運動説は、17世紀当時は実験的根拠に欠けていました。
17世紀から18世紀にかけ、ヨーロッパで産業が活発化し、工業はものすごい勢いで発展していきました。そのような中で、熱の正体は物質である、という熱の物質説という説が現れました。熱の粒子と呼べるようなものが存在し、それが様々な熱現象を起こす、という主張です。彼らは、温度とはつまり熱の粒子の量である、と言っていました。